恐怖の落ち穂拾い

某製作所には「落穂ひろい」という制度がある。
事故を起こしたあとの反省会のようなもので、トヨタ式に5W(なぜを5回繰り返して、原因を探る)の考え方に基づいて事故の原因を探るのだが、俺が見た限りでは、やってることは学級会のつるし上げと変わらないようだった。
はじまった当初はまともな形だったらしいが、形骸化してしまったらしい。

課長やプロジェクトリーダーが発表の矢面に立たされ、原因をいろいろとのべていくのだが、これまでのやり方や、自分たちの常識に反するような原因を挙げると、部長とかが「なにいってんの!」とか恫喝する。これでは真の原因にたどりつくことは絶対にないだろう。

航空機や鉄道の事故調査委員会のように、正しく運用されればその効用は計り知れないが、個人にその責任と原因を負わせるような間違った運用をすれば、そのダークサイドの効果もまた計り知れない。

「なぜ」は、やる気と成長を止める質問なのか? - teruyastarはかく語りき

失敗を個人の責任にしてしまうと、
それが個人の力量を越えてるかどうかも分からず同じ間違いを繰り返したり
また別の個人で同じ間違いを繰り返したり
この間違いはずっと学習されず法人として成長しなくなります。

トヨタなんかが【なぜを5回問う】とあるのはもちろん全て「we」の視点です。*1
部下が失敗したら「you、やっちゃったね」
部下の成功は「we、やっちゃったよ」
などと都合よくはき違えてる人はいないでしょうか?

という部分で制度が形骸化してしまった理由をうまく説明できるのかもしれない。

結局のところ、失敗の原因を追及するための会合から、個人の責任を追求するための会合になってしまっていたのだと思う。