オフショア発注側と受注側との間で最も大きな認識のずれが生じた課題

先日のエントリに関係するアンケート結果があるので紹介する。

オフショア発注側が認識している課題

「オフショア開発における課題と深刻度」日中の認識のずれ: 日本最大のオフショア開発サイトより

UMTPが実施したオフショア発注側に対するアンケートによると、「オフショア開発における課題と深刻度」は以下の通りでした。

<日本企業が感じる深刻度No1>
・オフショア担当者の離職
・保守メンテナンスの派生開発におけるリードタイムの大きさ
・情報共有の困難さ

逆に、「仕様の曖昧さ」「言葉や文化の違いによる誤解」「テスト時の品質劣化」については、オフショア発注側の日本企業は深刻な課題とは感じていないようです。興味深いですね。

オフショア発注側と受注側との間で最も大きな認識のずれが生じた課題

clickenquete.comより

◆仕様の曖昧さ(24票)
◆言葉や文化の違いによる誤解(6票)
◆情報共有の困難さ(5票)
◆仕様伝達に時間がかかりすぎる(1票)

ここで示しているのはクイズの投票結果だけども、コメントに「UMTPのアンケートでも同じ結果が出ました。」とあるので、「仕様の曖昧さ」が最も大きな認識のずれが生じた課題と考えていいだろう。

まとめ

  • オフショア受注側では「仕様の曖昧さ」や「言葉や文化の違いによる誤解」が課題として認識されているが、オフショア発注側はそれを課題として認識していない。
  • オフショア発注側が「オフショア担当者の離職」や「保守メンテナンスの派生開発におけるリードタイムの大きさ」を課題としている。


オフショア発注側は国内への発注と同じ感覚で発注しているのではないだろうか。
オフショア発注側が「オフショア担当者の離職」を懸念しているのも、仕様を理解している人間が離職することを懸念しての事で、国内への発注と同じ感覚と言えるのではないか?

オフショア発注側が課題としている「保守メンテナンスの派生開発におけるリードタイムの大きさ」も曖昧な仕様にあるのではないか?既存の曖昧な仕様書では情報が足りず、ソースコードを毎回調査しなければいけないため、リードタイムが長くなっているのではないか?